アメリカで毎日泣いてます。シアトル不妊治療の記録

シアトルでの駐在生活のほとんどは不妊治療でした。 35歳から38歳までの不妊治療の記録です。

カテゴリ: 不妊治療


ここが私たちにとって初めての不妊治療クリニックだったので
他と比べようがないけど、
当時思った事を。

1、通訳さんをお願いしているのに
当日来てみると通訳なしの事が度々あった。


大事な治療の説明の時など電話通訳になると余計時間かかるし、
まどろっこしくてイライラ。

何度か病院に文句を言ったけど、
通訳会社の方にも問題があるのか改善できなかった。

通訳さんの事でいうと、無料で来てくれるだけで、もちろんとてもありがたいんだけど
採卵時は香水御法度なのに、それを知らずに香水ぷんぷんの方がいて。
そういうのは困ってしまう。


あと、通訳さんは医療通訳の人ではあるけど、不妊治療はやっぱりちょっと特殊のようで、
人によっては専門用語を知らない人がけっこういる。

 


毎回同じ人を指定する事はできず、行ってみないとわからない。

基本的には同じ数名の人にあたる。



2、注射の薬の投与量を含め、すべてのやりとりは
病院が使っているポータルサイトのメッセージ欄を通してやるんだけど、
これいちいちログインして誰宛で、とか指定するのが面倒くさい。

ダイレクトにメールでやり取りしたい。

 

3、駐車場は無料


4
、ちょいちょい日本人の患者さんを見かけた。


5
、ドクターは本当にやさしくてあたたかいおじさんとおじいさんの中間先生。

ナースも皆気さく。


6
、すごく混んでる。





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話し合いの結果、私たちには顕微受精は合わなかったのかもしれないという事で

ふりかけ受精に戻して3回目をやる事にした。


その3回目、注射の投与量は最初の倍に増えていた。

そうしないと数値が上がらなかった。
 

そして、採卵数は14個。

成熟卵は6個。

でもまさかの受精卵は1つ。


参考までに注射の投与量の推移


Menopur
       1回目150 2回目150   3回目150

Ganirelix      同じ    

Follistim AQ     225          350      450525


3回目の時点でかなり投与量を増やさないと効かなくなっていた。




 

なんで??
私は泣きに泣いた。

そしてたった1つの受精卵もまた分割ストップしてしまった。

 

絶望的だった。

しゃくりあげて泣いた。

泣いても泣いても止まらなかった。

 

体外受精を3回やって、1度しか移植できるところまでいってない。

こんな絶望的な事ってあるんだろうか。

 


ドクターと今後の話し合いをした。

病院側も、私たちの事前の検査結果からしたら、これは想定外との事。

この受精率の低さは原因不明だと繰り返した。

こんな症例は5%以下であると。

 

原因はわからないけれど
たぶん卵子側になんらかの原因があるのではないか、との見解だった。


そして、こうも言った。

私たち自身の卵子と精子で赤ちゃんができる確率は極めて低い、と。


卵子に原因があるかどうか調べるには

ドナーエッグと夫の精子で受精するかを試すしかない。

でもそれって、夫の子ではあるけど私の子ではないよね。

でも私のお腹で育てれば私の子なの?

でも私の遺伝子じゃないから、私に似てないんだ、でも夫の遺伝子は入ってる。


混乱した。



更にドクターは、養子という選択もあるよ、と。


養子??

養子しかないの??

もう私は自分の子は持てないの??


絶望的だった。

いきなり養子という話が出てきちゃうのも
アメリカだからなんだろうけど、とても残酷だった。
それはそれはショックだった。



今、ドナーエッグも養子も選択肢にはない、と伝えると、

うちでこれ以上同じ治療を続けても同じ結果しか出ないと思う、
もしどこか他の病院が他の方法を持っているなら違う結果が出るかもしれない、
転院するのも1つの手だと言われた。


 

私たちは転院を決めた。




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ドクターと次回に向けての話し合い。

受精数が低いから次回は顕微受精(ICSI)でやってみようという事に。


日本だと顕微受精は別途料金がかかるみたいだけど、ここは金額は変わらない。

次こそできないわけはない。

だって顕微受精するんだよ?


同じように準備をする。

前回より注射の投与量が増えた。

前回量では反応が悪くなっているとの事。


夫はどんどん注射が上手になっていく。

私もだいぶ恐怖と痛みに慣れてきた。

 

結果、採卵数は9

成熟卵は7

だけどまさかの受精卵1つ。

 

想像もしない結果だった。


顕微受精をすれば、受精数は増えるっていう話じゃなかったっけ??

 

そのたった一つの受精卵も分割がストップして移植キャンセルとなった。

声をあげて泣いた。


病院からの連絡の後、夫に電話。

しゃくりあげて泣いた。

絶望しかなかった。


この結果を経て、いつものドクターと培養担当のドクターと話しあった。

原因不明だと言われた。


卵子、精子の分子レベルの問題ではっきりとは言えないが
受精障害の可能性がある、と。


実際精子は大量に卵に群がっていたにもかかわらず、
どれも中に入っていかなかったという。


通常、顕微受精(ICSI)は8090%で受精するはず、との事。

 

私がネットで調べまくったところによると、2つ考えられる要因があり、


1
、精子を注入する際に卵子に切り込みを入れるやり方が下手。

2、卵子が未成熟。


これに対しての回答はたぶん2であろうとの事。

 

E2値が前回と比べて低いのは問題ではないのか?とか気になる事はあったけど、

それは卵の数に比例するから、そこは問題じゃないらしい。


次回に向けてとれる対応策として

1UWにて$400で精子遺伝子を検査してみる。

2、卵子を活性化するためにカルシウムを入れる。

3、ふりかけ受精に戻す。


上記3つを提案された。

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私は不妊治療をしていることを誰にも話していなかった。

治療当初は親にも黙ってた。

夫にも口外するな、と言った。


夫の上司にだけは会社を休まなきゃいけなかったりする都合上話していた。

 

複雑な治療内容、英語だから余計理解できずにとても苦労した。

たとえば日本だとアンタゴニスト法とかあるけど、
アメリカではそういう風に表現しないから

自分がどの方法でやってるのかもよくわからなかった。


病院で治療の説明を受けた後、日本のサイトで検索するけど
どれに該当するの??っていう感じですごくややこしかった。

 

そんな時は日本で不妊治療をしている友達数名に電話をして聞いた。

私の年齢的に何名か同じ思いをしている友達がいる。

不妊治療真っ只中の友達、不妊治療を経て赤ちゃんを授かった友達。


そこで知る日本とアメリカのやり方の違い。

お互い食生活で実践してることや、
こんなのがいいって聞いたよ、っていう日本とアメリカの情報をそれぞれ伝えあう。

できる事はなんでも取り入れたい。

同じく不妊治療真っ只中の友達はおもしろい人で、
苦しい思いやつらい思いをしていても
笑わせてくれた。

私たちはまったく笑えない状況にいたけど、それでも笑った。

泣いて、笑った。


私は彼女にどれだけ救われただろう。


 

不妊治療について夫以外の人と話す機会はとても重要だと思う。

もちろん夫も苦労しているけど、
注射であるとか諸々はすべて女性に直接的に負担がかかる。


精神的、肉体的にとてもつらい同じ体験をしてる人と話すことで救われる。

はけ口がないと、つぶれてしまうと思う。




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移植前日、ポータルサイトに通訳が見つからないと来ていた。

当日朝も結局まだ見つかっていない、と。


以前名詞をもらった通訳の人にお願いしたけど予定がつかなかった。


指定の時間に病院へ。

結局通訳の人は来てくれた。

もう!

大切な日に気を揉ませないでほしいわ。

 

移植の1時間前からペットボトル3本分お水を摂取し
膀胱をパンパンにする必要がある。

そうする事で、子宮の中が見えやすくなるんだそう。

なぜこんな医療が発達してる現代で原始的なやり方なんだろう。


これが本当につらい。

おしっこを我慢するのが本当につらい。

そんなギリギリな精神状態の中、
受精卵を2個同時に移植しましょうとドクターに提案される。


もう判断つかないけど、それがいいなら、そうしようじゃない。

双子の確率はあるけど、そんなうまく2つとも着床する事もないそうで。


もうおっこしか頭にない私、正しい判断はできかねる。

全て夫の判断に委ねるしかない。

 

看護師さんが尿を1.5カップ出してきていいという。

そんな上手にできないわ、と思いつつ、カップ1.7出した。

また溜まるからいいとの事。

 

ベッドのある部屋へ移動、着替え。

そして夫と共に手術室へ。


夫と初めて受精卵をモニター越しに見る。


受精卵の写真を持った夫が右側に控える。


2
つの受精卵に感動。

私には希望に満ち溢れたキラキラした卵に見える。

 

看護師さんは終始、尿意我慢をほめてくれる。


ドクターが膣に残ってたクリノンをかき出す。

クリノンとは、採卵後、1、2日後から朝、膣から入れて、
子宮内膜を厚くする役割のもの。



遂に受精卵が運ばれてくる。

カテーテルが画面に映し出される。


移植はあっという間。


だけど移植後更に20分、同じ体勢のまま待機。

卵を固定させるため。


脳内いよいよおしっこ一色。

そしてすぐさまトイレへ。

ふぅ、つらいわー!!


看護師さんが通訳さんに
「移植に立ち会った事はある?」と聞いた。


初めて、と答える通訳さん。


「とてもいい経験したでしょ?私はこの仕事が大好きなの。」と看護師さん。

そういう心持ちの看護師さんが担当してくれてよかった。


あとはもう、期待しかない。

 



それから。 

2週間後の血液検査の結果、妊娠していなかった。


声をあげて泣いた。



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